ASDの特性を持つパートナーと時間を共にし、こんな事を感じている方も多いのではないでしょうか。

・こちらの気持ちには無関心で、話が通じない、話しかけても相手にしてもらえない
・やって欲しい事を伝えてもうるさがれ、止めてという事を止めてもらえない
・相手がやって当然だと思われている
・助けて欲しい時に何もしてもらえない、大丈夫?とも言ってもらえない
・家族の出来事を覚えていない
・危機的な状況でも家族を置いて出かけてしまう
・子育てについて関心が少なく、言った事しかしてくれない、言ってもしてくれない
など
私も沢山このような思いをしてきました。相手に期待するとそのギャップに哀しくなりますよね。
そこで、ASDの特徴を振り返っていきます。
ASDの特徴として、こんな特徴があります。

・親密な関係を築くのが難しい
・相手の視点から想像し、思考することが苦手
・行動の意味や具体性や見通しが明確でないと混乱する
・他者と比較して肯定的に能力を評価されることを目標としている
・自分が見てきたもの、経験してきたもの以外を想像することが苦手
・小さな相談や意見も、自分が上手にやれていないという意味に受け取ってしまう
・手伝ったつもりだが、結果として相手の仕事を増やす
・子どもを見ていてと頼まれ、文字通り見ているだけ
・手順や段取りが苦手な人が多く、子どもの世話にはあまり向いていない
・子どもの世話をするが、子ども目線で遊び、親としての視点を忘れる
・妻が夫との実家に葛藤がある時に、妻の味方にならない
・自分の不快を自分と同じように相手も分かるはずだと思う
・何かをしている時に関わろうとすると不快になる
・謝ったらそれで終わりで、相手も同じだと思っている
・負ける事が嫌いで、負けそうになると自分ルールに変えようとする
しかし、人にルールを変えられる事を極端に嫌う
・物事の細部に注意が向きすぎ、大切な事に気付かない
など
一見、信じられないと思ってしまうことも多くありますが、ASDの特性があっておこなっている事なのですね。相手を貶めようとしてやっている訳では無いと思うと、安堵というような、納得というような、諦めというような、残念というような様々な気持ちが沸いてきます。しかし、これが事実であるので、どう付き合えば良いかを考えていったほうが得策ですね。そこで、付き合い方をみていきましょう。
ASDの特性を持つパートナーとどう付き合うと良いか

・話しかける時、この話はどんな内容で何分位かかると予告し安心感を与える
・肯定的な評価をしながら話をする
・相手の応答が遅くても、待つ
・妻が夫との実家に葛藤がある時は、夫は中立ではなく妻の味方に立つ
・感情を含まない無機質の情報という形にして伝える
・平易な言い方をする
・穏やかに話し始める、語尾を上げない、絶対に責めない
・Iメッセージで気持ちを伝える(命令ではなく「〇〇されると△△と感じます。」)
・話を聞いてもらえなそうな時は、何気なくつぶやく、資料や書きつけなどを置く
・夫に家事を手伝ってもらいたい場合は、日常の中にパターン化する
そのためには根気強く情報を提供しつづける
・ルールを変化させるには、正当な理由を挙げる
無理に押し付けずに、変化の必然性を理路整然と伝える
・何かをしてもらう時は、ある程度準備をし、部分的に任せていく
・新たに何か作業をしてもらう時は、全ての手順を用意してあげ、最後の段階で主要なところを作業してもらう
・何か依頼する時は、くどいほど具体的に伝える
いろいろ挙げましたが、根気や忍耐が必要な事も結構あります。ですので、無理をせずに自分の気持ちを優先した上でおこなってくださいね。
尚、ASDのうち尊大型ASDのタイプについては、特殊なため対応方法が異なりますので、次回のブログで挙げさせていただきました。よろしければ合わせてご覧ください。
参考文献:本田秀夫著『自閉症スペクトラム10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』(SB新書)